暗号資産の調査費用には、1件いくらの定額制と、被害額の何%という料率制があります。掲載8社の実際の料金をもとに、被害額いくらから支払額が逆転するのかを計算しました。
調査を頼むとき、金額そのものより先に見るべきなのは料金の決め方です。掲載8社を並べると、方式は2つに分かれます。送金1件ごとに定額を払う方式と、被害額に一定の割合を掛ける方式です。同じ調査内容でも、この違いだけで支払額は大きく変わります。
01掲載8社の料金体系
| 方式 | 会社 | 公表されている料金 |
|---|---|---|
| 定額制 | CryptoTracer | 1件 ¥9,800(税込)/1申込あたり最大10件 |
| 料率制 | 日本中央リサーチ/グローバル総合セキュリティ/仮想通貨調査団 | 被害金額の2.8%〜 |
| 料率制 | 仮想通貨調査センター/Block Trace Japan/サイバーガード | 被害金額の2%〜 |
| 記載なし | マイクロシステムズ | 公式サイトで料金の記載を確認できず |
料率制の6社はいずれも末尾が「〜」です。これは下限を示す表記で、6社のうち上限を公表している会社はありませんでした。つまり料率制では、契約前に見積りを取らないかぎり総額が確定しません。
02被害額ごとに計算する
送金が1件だった場合で、公表されている下限の料率をそのまま当てはめると次のようになります。実際には料率が上がる可能性があるため、料率制の金額は「最低でもこれだけかかる」という読み方をしてください。
| 被害額 | 定額制(1件) | 料率2% | 料率2.8% |
|---|---|---|---|
| 100万円 | 9,800円 | 20,000円 | 28,000円 |
| 500万円 | 9,800円 | 100,000円 | 140,000円 |
| 1,000万円 | 9,800円 | 200,000円 | 280,000円 |
| 3,000万円 | 9,800円 | 600,000円 | 840,000円 |
03定額制が不利になる場面
定額制は送金1件ごとの課金です。少額を何度も送らされていた場合、件数ぶんだけ積み上がります。10回送金していれば9,800円×10件で98,000円です。被害額が小さく送金回数だけが多いケースでは、料率制のほうが安くなることがあります。
| 状況 | 有利になりやすい方式 |
|---|---|
| 被害額が大きく、送金回数が少ない | 定額制 |
| 被害額が小さく、送金回数が多い | 料率制 |
| 総額を先に確定させたい | 定額制 |
| 対面や電話で相談しながら進めたい | 料率制の会社に窓口が多い |
04確認する順番
- 01送金の件数を数える
定額制はここで金額が決まります。取引所の出金履歴から件数を数えてください。
- 02被害額を円で確定する
料率制はここが分母です。送金時点の円換算額を計算しておきます。
- 03両方式で試算する
上の表に当てはめれば、おおよその下限が出ます。
- 04見積りで上限を聞く
料率制は下限しか公表されていません。総額と、料率が上がる条件を書面で求めてください。