このページで分かること
送った先のアドレスは公開の記録に残ります。USDTやビットコインを送金した後、どこまで辿れて、どこで分からなくなるのか。チェーンごとの違いを含めて整理しました。
送金の記録は消えません。ただし、どこまで具体的に辿れるかは、選んだ通貨とネットワークによって差が出ます。指定されやすい組み合わせには理由があり、これを把握しておくと調査を依頼するときの説明がスムーズになります。
01なぜUSDT(TRON)が指定されることが多いのか
- 価格が米ドルに連動するステーブルコインなので、受け取る側が値下がりリスクを負わない
- TRONチェーン(TRC-20)は送金手数料が安く、着金が速い
- 国内外を問わず取扱いが多く、現金化までが早い
- 送る側も「ドル建てだから安全」と思い込みやすい
02チェーン別の追跡のしやすさ
| 通貨・チェーン | 追跡 | 特徴 |
|---|---|---|
| ビットコイン(BTC) | 可能 | UTXOという仕組みのため、どの資金がどこへ動いたかを細かく特定できる |
| イーサリアム(ETH / ERC-20) | 可能 | 残高を口座のように扱う方式。分散型取引所やブリッジを経由されると経路が枝分かれする |
| USDT(TRC-20 / TRON) | 可能 | 1日の送金件数が多く枝分かれしやすい。記録そのものは誰でも参照できる |
| 匿名性通貨(Monero等) | 困難 | 誰から誰へいくら送ったかが設計上分からない。国内の主要な交換業者では取り扱いがない |
03ステーブルコインには凍結の仕組みがある
USDTやUSDCのように米ドルと連動する通貨には、発行している側が特定のアドレスを使えなくする機能が組み込まれています。犯罪への利用が確かめられたアドレスに対して実際に使われた例が、発行体から公表されています。
ただし、被害者本人が申し出れば動く仕組みではありません。捜査機関からの要請を受けて初めて取られる措置であり、調査会社が発行体に頼んで実行させることもできません。「当社の権限で止められる」と説明された場合、それは正しくありません。
04送金してしまった後に控える情報
- 01送金したチェーン
交換業者の送金履歴に「ネットワーク」または「チェーン」の名前で残っています
- 02TXID
BTCとTRONは64桁の英数字、Ethereum系は0xから始まる66桁
- 03送金先アドレス
相手から指定された入金先。TRONのアドレスはTで始まります
- 04送金日時と数量
分単位の日時と、当時の日本円換算額