投資詐欺やロマンス詐欺で暗号資産を送ってしまったとき、調査会社はどこがいいのか。掲載9社を費用の決まり方で整理し、契約前に総額が確定する3社、無料の範囲、契約相手を照合できるかで選ぶ基準をまとめました。費用の目安つきの比較表で確認できます。
結論から言うと、費用の決まり方で絞り込むのがいちばん早い方法です。掲載9社のうち、契約前に支払総額が確定するのは送金1件あたりの定額を公表している3社で、金額は9,800円・11,980円・13,900円。残る5社は被害金額に対する料率で、いずれも下限しか公表していないため、見積りを取るまで総額が分かりません。1社は公式サイトが表示されず、条件そのものを確認できませんでした。
SNSやマッチングアプリをきっかけにした投資詐欺でも、知人を装った勧誘でも、ウォレットからの不正送金でも、費用の決まり方は変わりません。暗号資産で送ってしまったかどうかと、送金が何件あるかで決まります。被害の種類で料金が上がる会社は、掲載9社にはありませんでした。
01選ぶときに見る3点
調査の中身は外からは比べられません。実際に比べられるのは、契約前に確認できる条件です。次の3点だけに絞ると判断がつきます。
| 見る点 | 確認する内容 | 掲載9社の状況 |
|---|---|---|
| ① 総額が先に決まるか | 定額か料率か。料率なら上限が公表されているか | 定額3社/料率5社(上限の公表は0社)/記載なし1社 |
| ② 無料の範囲はどこまでか | 相談だけ無料か、一次調査まで無料か。費用が発生する境目はどこか | 8社が初回相談を無料と公表。1社は相談費用の記載なし |
| ③ 契約相手を照合できるか | 法人番号が示され、国税庁の法人番号公表サイトで登記と一致するか | 法人番号を確認できたのは6社。残る3社は照合できない |
02費用で選ぶなら、まずこの3社
| 会社名 | 特徴 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| CryptoTracer | 送金1件ごとの定額で、申込みの時点で総額が確定する。報告書に実際のトランザクションハッシュが載るため、受け取った側が公開ブロックエクスプローラーで照合できる | 1件 9,800円(税込) |
| 日本仮想通貨被害協会 | 着手前のキャンセルは全額返金、着金先を特定できなかった場合も全額返金と公表。報告書に載る6項目を事前に公開している | 1件 11,980円(税込) |
| ハートアシスト | 定額で、支払いをクレジットカードと銀行振込から選べる。ただし運営は個人事業で、法人番号の記載がない | 1件 13,900円 |
03掲載9社の比較
| 会社名 | 特徴 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| CryptoTracer | 定額で総額が確定。報告書のTXIDを自分で検証できる | 1件 9,800円(税込) |
| 日本仮想通貨被害協会 | 調査が不成立なら全額返金と明記。民間の任意団体 | 1件 11,980円(税込) |
| ハートアシスト | カードと銀行振込から選べる。法人番号の記載なし | 1件 13,900円 |
| 仮想通貨調査団 | LINEだけで匿名のまま相談を始められる | 被害額の2.8%〜 |
| 仮想通貨調査センター | 無料の範囲が明確。途中解約は不可と明記 | 被害額の2%〜 |
| Block Trace Japan | 取扱案件を実名で公開。対面・オンライン面談にも対応 | 被害額の2%〜 |
| マイクロシステムズ | 1次調査まで無料。運営会社の記載がない | 被害額の2.8%〜 |
| サイバーガード | 解約時の返金割合を特商法表記に数字で公表 | 被害額の2%〜 |
| 仮想通貨詐欺返金支援センター | 公式サイトが表示されず、条件を確認できない | 確認できず |
料率制の5社は、被害額が大きいほど支払いが増えます。送金1件・被害額1,000万円の条件で各社に確認したところ、料率2%なら20万円、2.8%なら28万円でした。同じ1件の調査でも、定額9,800円との差は28倍以上になります。
04迷ったときの進め方
- 01送金の件数と被害額を出す
定額制は件数で、料率制は被害額で金額が決まります。この2つが分かれば、どちらが安いかはその場で計算できます。
- 022社以上に同じ条件で聞く
件数・被害額・送ったチェーンの3つを同じ文面で送り、返ってきた総額と説明の具体性を比べます。
- 03法人番号を聞いて照合する
国税庁の法人番号公表サイトは誰でも無料で使えます。商号と所在地が一致するか、指定年月日はいつかを確認します。
- 04総額と不成立時の扱いを書面でもらう
支払総額、追加費用が出る条件、調査が不成立に終わった場合の費用、途中解約時の返金。この4点を書面で受け取ってから契約します。
この記事のQ&A
Q01仮想通貨の調査会社はどこがいいですか?+
何を優先するかで変わりますが、費用の決まり方で絞ると判断がつきます。掲載9社のうち契約前に総額が確定するのは定額制の3社で、CryptoTracerが1件9,800円(税込)、日本仮想通貨被害協会が1件11,980円(税込)、ハートアシストが1件13,900円です。残る5社は被害金額の2%〜2.8%という料率制で、上限を公表している会社はありません。
Q02調査費用がいちばん安いのはどこですか?+
送金1件なら、掲載9社ではCryptoTracerの9,800円(税込)が最も安い公表額です。ただし定額制は送金1件ごとの課金なので、少額の送金を何度も行っている場合は件数ぶん積み上がります。被害額が小さく送金回数が多いときは、料率制のほうが安くなることがあります。
Q03無料で相談できる会社はありますか?+
掲載9社のうち8社が初回相談を無料と公表しています(残る1社は相談段階の費用について記載がありません)。無料の範囲は会社によって差があり、状況を聞くだけの会社もあれば、一次調査まで無料で行う会社もあります。費用が発生する境目を申込み前に確認してください。
Q04契約相手の会社をどう確かめればよいですか?+
法人番号を聞き、国税庁の法人番号公表サイトで照合します。無料で使え、商号・本店所在地・過去の変更履歴まで表示されます。掲載9社のうち法人番号を確認できたのは6社で、残る3社は記載がないか、サイトそのものが表示されません。
Q05投資詐欺やロマンス詐欺でも調査を依頼できますか?+
できます。掲載9社はいずれも暗号資産で送金した被害を扱っており、上位3社はそれぞれ投資詐欺・ロマンス詐欺・副業やビジネスを装った勧誘・SNSやチャット経由の投資勧誘を対応範囲として公開しています。費用は被害の種類ではなく送金の件数と金額で決まるため、投資詐欺でも定額制は1件9,800円から13,900円、料率制は被害額の2%〜2.8%です。
Q06調査会社に頼めば返金されますか?+
されません。調査会社ができるのは資金の移動を調べ、警察や弁護士へ提示する資料を作るところまでです。回収を保証できる事業者はなく、報酬を得ての返金交渉は弁護士法第72条により弁護士以外は行えません。「必ず取り戻せる」という説明をする相手には依頼しないでください。